「ファンク・ブラザース」という名前は聞いたことがなくても、モータウン・レーベルが世に送り出した、テンプテーションズ、マーヴィン・ゲイ、スモーキー・ロビンソン、ダイアナ・ロス、スティービー・ワンダーといったアーチストは誰でも知っているだろう。1960年代、そういったモータウンの有名アーティストを陰で支えたバック・バンドこそが、ファンク・ブラザースである。"Standing In The Shadows Of Motown"は、決して表舞台に出ることのなかった彼らの知られざる歴史を辿ったドキュメンタリー映画だ。
そして、一番の楽しみは、30年ぶりに再結成したファンク・ブラザースと豪華ゲストによるライブ映像だ*。チャカ・カーン、ベン・ハーパー、ブーツィー・コリンズ、ジョーン・オズボーンといった錚々たるメンバーが加わった珠玉のライブの素晴らしさ。本作品のサウンドトラックは、第45回グラミー賞ベスト・サウンドトラック・アルバムに、また、チャカ・カーンの"What's Going On"は、ベスト・トラディショナル・R&B賞に輝いている。ラストでチャカ・カーンとモンテル・ジョーダンが歌う"Ain't No Mountain High Enough"では、胸に熱いものがこみ上げる。
2枚組のDVDには、1枚目に本編とオーディオ・コメンタリー、モータウンをより深く知るためには必見の全編にわたる字幕解説などを収録。本編には英語とスペイン語字幕の収録がある。ディスク#2にはカットシーン、ビデオ・バイオグラフィー、ミュージックビデオ・モンタージュ、マルチ・アングル・ジャム・セッション、既に世を去っている5人のメンバー紹介などのほか、DVD-ROM収録として初のWindow Media Palyer 9 用のHD (High-Definition) 版の本編が収録されている(同じくArtisanから6月3日に再販予定の"Terminator 2"と同様のフォーマット)。