Crossroads (クロスロード)
作品データ リージョン:ALL 制作: Columbia/TriStar 映像仕様: LBX 音声仕様: Dolby Digital Surround (English) 作品時間: 99分 画面比率: 1.85:1 CC: Yes 字幕: English,Japanese
ジュリアード音楽院でクラシックギターを専攻するユジーン(ラルフ・マッチオ)は、優れたクラシックの才能を持ちながらもブルースに夢中になっていた。ユジーンは、1930年代に活躍し27歳の若さで死んだロバート・ジョンソンが作曲し、ついに録音されることのなかった幻のブルースを求めて、療養所にいるウィリー・ブラウン(ジョー・セネカ)の元を訪れる。ロバート・ジョンソンの相棒だったハーモニカ奏者、ウィリーこそ幻のブルースを知る唯一の生存者だからだ。しかしウィリーは、幻のブルースは故郷であるミシシッピーでなければ演奏しないと言い張る。ついにユジーンは、ウィリーを施設から連れ出し、ミシシッピーを目指してヒッチハイクの旅に出るのだった。「ベスト・キッド」のラルフ・マッチオが音楽院に通う金持ち少年に扮し、家出娘フランセス(ジェイミー・ガーツ)との出会いと別れ、差別や社会の不条理を体験しながら自分のブルースを探る姿を描いた青春映画。監督は 「48時間」「ストリート・オブ・ファイヤー」のウォルター・ヒル。ギタリスト必見作、というよりはギタリストならば知らない人はいないと言った方が早いだろう。映画の冒頭、ロバート・ジョンソンがレコーディングを行うシーンは、当時の様子を忠実に再現した心憎い演出だ。ブルース・ファンならばこのシーンだけでも一見の価値はある。そして音楽は「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のライ・クーダーという渋さ。ジョン・ベイリー撮影によるミシシッピの広大なデルタ地帯に、ブルースが染み渡る。タイトルの「クロスロード」とは、かつてブルース・マンたちが名声とひきかえに悪魔に魂を売ったとされる伝説の十字路のこと。実はウィリーはこの十字路で悪魔との契約を解消するためにミシシッピーを目指していたのだ。そのクロスロードで、ユジーンはギター・バトルをする羽目になる。対決相手の凄腕ギタリストとして登場するのが、超技巧派ギタリスト、スティーブ・ヴァイなのだからギタリストにはたまらない。このギター・バトルが本作品の最大のみどころだ。スティーブ・ヴァイがこれでもかと言わんばかりに披露するテクニックと速弾きの連続を堪能したい。米国盤で登場の本作品は、リージョン・オールのため日本の各再生機器で再生可能。さらに日本語字幕付なので全く問題なく楽しめる。まさに日本のギタリストのためにあるような一枚だ。字幕はほかに英語字幕を収録。1.85:1アナモルフィックの映像は、ややざらつき感が残るものの全体的には非常に良好で申し分ないリマスター。音声は英語ドルビーデジタル・サラウンド。サラウンドは強力ではないが、伸びやかなサウンド空間が広がる心地よいサウンドトラックだ。特別収録として、コロンビアからリリースされているいくつかのタイトルの予告編集を収録。残念ながら「クロスロード」の予告編は収録されていない。音楽ファンには熱い指示を得る一方で、本作は構成やストーリー展開に特に面白味がないため映画ファンからはほとんど注目されない位置にある。平凡な作品であることが、かえって随所にちりばめられた数珠の名曲やギター・テクニックを際立たせてしまったのだ。すべてのブルース・ファンに捧げる一枚。
2004/09/21
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