Madadayo (まあだだよ)
作品データ リージョン:1 制作: Fox Lorber 映像仕様: LBX 音声仕様: Dolby Digital Stereo (Japanese) 作品時間: 134分 画面比率: 1.66:1 CC: Yes 字幕: English
黒澤明監督の遺作となった「まあだだよ」。純粋無垢で自由な人生を謳歌する随筆家・内田百間とその弟子たちとのふれあいを、愛情豊かな視点で描いたヒューマニズムあふれる一作。内田百間を松村達雄、夫人を香川京子、教え子たちを井川比佐志、所ジョージ、油井昌由樹、寺尾聰等が演じている。教職を退官して文筆業に専念するようになった百間先生の家には、かつての教え子たち、今は中年となった連中が先生を慕ってなにかと理由をつけては集まってくる。太平洋戦争による空襲で先生の家は全焼、愛読書の「徒然草」を著した鴨長明のごとく粗末な小屋に移り住むことになった先生の窮状に、教え子たちは生活用品を届けたり、住宅の世話したりと恩師への恩に報いようとする。先生の還暦祝いをきっかけに「摩阿陀会」(まあだかい)を恒例の宴会として開くようになる教え子たち。先生と夫人との二人暮らしには、やがて一匹の猫が迷い込むが、その猫が失踪し、先生は食事も喉を通らなくなる・・。全体を通じての大きなストーリーの起伏はないが、いくつかのエピソードを盛り込みながら、今は失われつつある豊かな人間関係をユーモアとペーソスを込めてとても丁寧に描かれている。かつて学校を離れても一生の付き合いがあった教師と生徒のつながり、今日の日本が忘れつつある人間同士の温かさを、黒澤監督が観る人を包み込むような優しさで描いている。優しく、懐かしく、温かく、ほのぼのとする作品である。DVDのクオリティとしては、音声・映像共に申し分ない。映像は、映画全体を覆っているゆったりとした雰囲気が程良く再現され、時代やその場の空気がしっかり伝わってくる。音はあくまでセリフ中心だが、雨や雷鳴などの再現も良好。英語字幕はON/OFF切替が可能なので違和感無く鑑賞できる。特典として、監督による絵コンテ、米国劇場公開時の予告編、フィルモグラフィーを収録。リージョンはオールのため、日本のリージョン2のプレーヤーでも再生可能。
2001/04/04
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