Lucky Star: OVA (2007)
(らき☆すた OVA）

＜作品データ＞
リージョン： 1
制作： Bandai Entertainment
映像仕様： LBX
音声仕様： Dolby Digital Stereo (Japanese)
作品時間： 43分
画面比率： 1.78:1
CC： No
字幕： English

Lucky Star is back as an OVA! Usually OVA stands for original video animation but we just wanted to make a point that this special episode for Lucky Star is such an original and visual work of animation. Kagami and Tsukasa join Konana and Ms. Kuroi in the virtual world of an online role playing game and get to witness firsthand the newbie experience in an MMORPG. Am I dreaming or is that really Kagami cosplaying as Miku Hatsune?! If that and the surreal frog scene are just too weired for you, the girls also do some common everyday stuff like playing volleyball and go camping. Stick around for the ending credits as you'll be treated to a special episode of Lucky Channel where you'll see me, Minoru Shiraishi, and Akira Kogami live in Person!

「らき☆すた」がOVAで帰ってきた！OVAって普通はオリジナル・ビデオ・アニメのことだけど、この「らき☆すた」特別エピソードはちょっとした"オリジナル・ビジュアル・アニメ"なのだ。かがみとつかさが、オンライン・ロールプレイ・ゲームのバーチャル世界でこなたと黒井先生に加わってMMORPGを初体験。あれは夢、それとも本当にかがみが初音ミクのコスプレを!? さらにシュールなカエルのシーンはちょっと、というあなたには、バレーボールとかキャンプとか、彼女たちのごく普通の日常場面もあり。私、白石みのると小神あきらの実物が登場するエンディング・クレジット「ラッキー・チャンネル」特別編もお見逃しなく！（DVDジャケット裏の解説より）

「コンプティーク」誌連載の美水かがみによる4コマ漫画をTVアニメ化し、社会現象的な大ヒットとなった「らき☆すた」。オタクな女子高生、泉こなたと友達の柊かがみと双子の妹柊つかさ、高良みゆきの4人を中心として女子高生達のゆるい日常生活を描く。

TVシリーズの米国盤DVDは1本に4話を収録して2008年5月からリリースが開始された。Vol.1〜Vol.5までは通常盤に加えてCDとTシャツの特典が付いた限定盤が同時発売されたが、限定盤の方は売れ行きが伸び悩み、最終巻のVol.6は限定盤が発売中止、通常盤のみのリリースという残念な幕引きとなった。「らき☆ すた」Vol.1のレビューはこちら。

OVAの米国盤は日本盤の発売から遅れること約一年。コスト削減のためと思われるが、英語音声が収録されていたTVシリーズ盤に対してOVAは英語音声無し、作中のネタを紹介するガイドシート無し、特典映像無しという簡素な内容ながら定価$14.98という米国盤ならではの低価格を実現（日本盤は定価5,800円）。日本のファンとしては多少価格が上がっても英語音声や特典映像が欲しかったところだが、アメリカのマーケットに合わせる必要があった事情も十分に理解できる。

40分ほどの本編には短いエピソードが6本。犬のチェリー、ネトゲ、武闘会、バレーボール、キャンプ、ペットショップにまつわるお話、最後にオマケ的にアニメ店長も登場と、バラエティに富んでいる。もちろんキャラの個性とゆるいやりとりは健在、小ネタも満載。武闘会とペットショップの話はファンタジックでちょっと異色だ。大人気シリーズだけに内容についてはアメリカのファンの間でも意見は分かれているようだが、OVA1本にTVシリーズにあった濃い内容をすべて盛り込むめる筈もなく、特別編として観るにはアニメのクオリティの高さだけでも十分に価値がある。相変わらず絵がきれいでキャラがよく動く。個人的にはネトゲのエピソードが一番楽しめたが高校生らしいバレーボールの話も良かった。

字幕は英語字幕2種類を収録。英語1は、台詞および映像に現われる日本語の文字すべてを字幕化。英語2は、映像に現われる日本語の文字のみを字幕化したもの。ネトゲのシーンでは英語1を選ぶと画面中が字幕で埋まってしまって大変なことになる。なおメインメニューの"Set Up"から"Subtitle"の"English"を選ぶと英語1になるため、英語2を選択する場合は再生機器のリモコンで切り替える必要がある。もちろん英語字幕は消去可能。また、オープニング、エンディングともにクレジットは英語。

ファンは待望のリリース、ちょっと観てみたいだけという人も気軽に楽しめる一本だろう。

残念ながら特典映像と呼べるほどの映像は無く、最小限の収録内容だ。

(1) Textless Ending
英語のエンドクレジットを抜いたエンディング「らっきーちゃんねる」。

(2) Trailers
「時をかける少女」（英語音声）「涼宮ハルヒの憂鬱」（英語音声）「黒神 The Animation」（日本語音声）「ザ・サード　蒼い瞳の少女」（日本語音声）の予告編を収録。現在発売未定の「黒神 The Animation」が収録されているのは不思議だがそれ以外のタイトルはすべて発売中。

(3) Credits
DVD製作クレジット。

なお日本盤に収録されている特典映像は米国盤には収録されていない。

1.78:1アナモルフィックの映像は、クオリティの高いアニメを満喫できる高画質。クリアー度やディテールは最高レベル。色彩の再現も優れていて特に本作で重要な紫系のグラデーションや、微妙な肌色の種類もしっかり再現している。TVシリーズよりも彩度がやや低い印象があるがそれがもともとの映像かどうかは判断できなかった。

字幕は英語字幕を2種類収録。

オーディオトラックは日本語ステレオのみで、残念ながら英語吹き替え音声の収録は無い。セリフは明瞭で全く問題ない。低音やサラウンド効果は最小限だが、つかさの涙声の表情といった細かい部分から、山にこだまするこなたの叫びの響き具合まで絶妙な音作りが感じられる。さらにネトゲのゲームの音からカエルのシーンの幻想的な音まで、幅広いバックグラウンドの音が使われているが、どれもバランス良く仕上がっていてそれぞれのシーンを盛り上げてくれる。